自分で特許出願
2016年11月07日
【Q&A】特許請求の範囲(請求項)に「等」「など」と記載しても大丈夫ですか?
(Q)まずは自分で特許の出願書類を作ってみたいと思います。
最終的に弁理士さんのお世話になるかも知れませんが・・・
【特許請求の範囲】の【請求項】で発明を特定する際に、「等」「など」と記載しても構いませんか?
(A)請求項の記載が不明確だと特許にはなりません。
特許請求の範囲(特許の権利範囲)が不明確だと、第三者に不測の不利益を与えるからです。
「等」「など」(以下、「等」)の記載は、それ自体が悪いというわけではありません。
「等」を使うことによって請求項の記載が不明確になるとしたら、それが、特許にならない悪い書き方ということです。
また、基本的には、「等」「など」(以下、「等」)を使わなくても、発明を特定することは可能なはずです。
●いくつかの記載例
(例1)
【請求項1】
・・・の上面を覆う金属板やガラス等と、・・・
これは、「等」の範囲が不明確ですので、NGです。
(例2)
【請求項1】
・・・の上面を覆う金属板やガラス等の硬質部材と、・・・
これは、「等」が悪いというよりは、「硬質部材」が不明確です。
どのような硬さのものが含まれるのか、わからないからです。
(例3)
【請求項1】
・・・の上面を覆う金属板やガラス等の上面被覆部材と、・・・
これは、OKだと考えます。
(例1)や(例2)と不明確さは変わらないように見えますが、上面を覆う部材であることは明確です。
そして、金属板やガラスが例示されていますが、上面被覆部材の材質は、限定しないということです。
つまり、以下の(例4)と同じです。
(例4)
【請求項1】
・・・の上面を覆う上面被覆部材と、・・・
この(例4)でしたら、OKであると納得される方も多いと思います。
はじめに、「等」を使わなくても、発明を特定することは可能なはずと述べましたが、こういうことです。
●例示は明細書に記載する
あなたの発明が、上記(例3)で特定できたとしましょう。
この場合、請求項には、(例4)のように記載しておきます。
そして、例示の金属やガラスは、明細書のほうに記載しておくのがよろしいかと思います。
そもそも、例示を挙げる理由は、発明の内容がわかりやすくなるからではありません。
将来的に、その内容に発明を限定する可能性があるからです(いわゆる、拒絶理由通知時の補正の根拠)。
請求項に記載して、不明確と判断されるリスクを負うよりは、明細書のほうに記載しておくのがよろしいかと思います。
だからと言って、請求項に不明確とは言わないまでも、あまりに抽象的な記載をするのはよくありません。
例えば、請求項に「第一手段」のような「何とでも解釈できる」ような内容を記載しておき、明細書で、「第一手段は・・・でもよい」などと、「後付け」で定義していくものがあります。
このような記載は、審査官が苦労するだけでなく、最終的には、結局、出願人(権利者)自身がもっとも困ることになりますので、避けるべきでしょう。
何とでも解釈できる記載は、結局、何にも解釈できない(=何も記載されていないと同じ)となるリスクが大きいからです(この点は、別の記事で)。
●
いかがでしたでしょうか。
上記の(例1)~(例4)は必ずしも最適な例ではなく、また、発明の内容や技術分野によっては、判断が変わる場合もあるでしょう。
詳細は、特許事務所(弁理士)にご相談ください。
なお、特許事務所に依頼するときに、あなたのアイデアを弁理士に伝えるときには、以上のようなことを意識する必要はありません。ご参考まで。
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(↑お問い合わせフォームが開きます。)
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少しでもお役に立つ部分があれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
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「等」を使うことによって請求項の記載が不明確になるとしたら、それが、特許にならない悪い書き方ということです。
また、基本的には、「等」「など」(以下、「等」)を使わなくても、発明を特定することは可能なはずです。
●いくつかの記載例
(例1)
【請求項1】
・・・の上面を覆う金属板やガラス等と、・・・
これは、「等」の範囲が不明確ですので、NGです。
(例2)
【請求項1】
・・・の上面を覆う金属板やガラス等の硬質部材と、・・・
これは、「等」が悪いというよりは、「硬質部材」が不明確です。
どのような硬さのものが含まれるのか、わからないからです。
(例3)
【請求項1】
・・・の上面を覆う金属板やガラス等の上面被覆部材と、・・・
これは、OKだと考えます。
(例1)や(例2)と不明確さは変わらないように見えますが、上面を覆う部材であることは明確です。
そして、金属板やガラスが例示されていますが、上面被覆部材の材質は、限定しないということです。
つまり、以下の(例4)と同じです。
(例4)
【請求項1】
・・・の上面を覆う上面被覆部材と、・・・
この(例4)でしたら、OKであると納得される方も多いと思います。
はじめに、「等」を使わなくても、発明を特定することは可能なはずと述べましたが、こういうことです。
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あなたの発明が、上記(例3)で特定できたとしましょう。
この場合、請求項には、(例4)のように記載しておきます。
そして、例示の金属やガラスは、明細書のほうに記載しておくのがよろしいかと思います。
そもそも、例示を挙げる理由は、発明の内容がわかりやすくなるからではありません。
将来的に、その内容に発明を限定する可能性があるからです(いわゆる、拒絶理由通知時の補正の根拠)。
請求項に記載して、不明確と判断されるリスクを負うよりは、明細書のほうに記載しておくのがよろしいかと思います。
だからと言って、請求項に不明確とは言わないまでも、あまりに抽象的な記載をするのはよくありません。
例えば、請求項に「第一手段」のような「何とでも解釈できる」ような内容を記載しておき、明細書で、「第一手段は・・・でもよい」などと、「後付け」で定義していくものがあります。
このような記載は、審査官が苦労するだけでなく、最終的には、結局、出願人(権利者)自身がもっとも困ることになりますので、避けるべきでしょう。
何とでも解釈できる記載は、結局、何にも解釈できない(=何も記載されていないと同じ)となるリスクが大きいからです(この点は、別の記事で)。
●
いかがでしたでしょうか。
上記の(例1)~(例4)は必ずしも最適な例ではなく、また、発明の内容や技術分野によっては、判断が変わる場合もあるでしょう。
詳細は、特許事務所(弁理士)にご相談ください。
なお、特許事務所に依頼するときに、あなたのアイデアを弁理士に伝えるときには、以上のようなことを意識する必要はありません。ご参考まで。
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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
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