周知
2016年08月23日
引用文献なしに周知であるという認定に対する対処【拒絶理由通知】
(Q)拒絶理由通知によると、ある技術内容については周知である(から特許は拒絶)という認定でした。
しかし、周知であることを示す証拠(引用文献)が提示されておらず、納得がいきません。
そのことについて、直接的に反論できますか?
(A)反論できないわけではありませんが、リスクが大きいと考えます。
<解説>
証拠(引用文献)の提示がなく周知であるという認定は、大きく分けて2つのケースがあります。
それぞれの場合の対応について、以下述べてみます。
(1)証拠を示すまでもなく周知であると審査官が考えている場合
この場合は、証拠があるかないかだけを争点にすることは避けるべきです。
「証拠がないこと」だけを争うと、一つでも証拠が出てきたら、それで終わりだからです。
再度の拒絶理由(反論の機会)なしに、ただちに、拒絶査定されることもあります。
ではどうするか?
証拠はないとしても、「証拠が提示されていたとしたら、どのように拒絶理由を回避するか?」と考えて対応した方が、無難です。
(2)周知であるという認定が、誤解である場合
審査官が(1)のように判断して証拠を示さない場合でも、実は、それが勘違いであるというケースもあります。
その場合は、たしかに、「周知であること」自体を争える余地はあります。
「周知であること」を争うのは、(1)の「証拠がないこと」を争うのとは、本質的に意味が違います。
しかしこの場合も、審査官による必死のサーチの結果(笑)、一つでも証拠が見つかったら、(1)と同じ結果になるリスクがあります。
そこで、こう考えてはいかがでしょうか。
「周知であること」自体を争える状況では、補正しなくても特許か拒絶かきわどいというケースでしょう。
それでしたら、わずかでも補正して限定すれば、特許になるはずです。
必要十分な内容での(わずかな)補正を検討してみてはいかがでしょうか。
あるいは、表現をわずかに変えることで、実質的に権利範囲は変わらずに、特許にできるかも知れません。
そして、補正をすれば、必死のサーチ(笑)が行われた場合にも、再度、拒絶理由を通知してくれる可能性も高まります。
特許になる可能性が出てきたのですから、そうすることが、お互いのメリットになると考えるようになるからです。
●
いかがでしたでしょうか。
個人的には、(1)の場合でも、それこそ、敢えて証拠は提示してほしいものです。
証拠はいくらでもあるでしょうから、ささっと探してほしいものです。
(2)のような勘違いを防止する意味でも、証拠を提示してほしいものです。
忙しいのはわかりますし、実は、証拠を提示しない本当の理由もわかっているつもりです。
ただ、いずれにしろ、最初からきちんと証拠を提示したほうが、結果的に早く処理できて、忙しさも解消されるはずです。
また、手続の透明性という観点からも、例えば面接や電話の履歴を残すことなどするよりも、むしろ、適切な証拠を出す(より適切な拒絶理由を通知する)ことのほうが、有効であり、出願人側の納得感も高まるはずです。
後半は、【拝啓 審査官殿】になってしまいました(笑)
「本ブログの読者様」には、「前半部分で」ご参考になれば幸いです!
(注)本ブログにおける拒絶理由の対策は、いわゆる攻略マニュアルのような意味合いではありません(笑)。つまり、審査官を敵対視するものではありません。本来、審査官と弁理士は「特許出願人の利益」のために協働するものだからです。本ブログでも、特許出願人と審査官の双方にメリットがあり、結果、特許制度が有効利用されることを願っています。この点をご理解のうえ、ご参考にしてください。
******************************
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そんな東雲(しののめ)特許事務所へのお問い合わせは、
お気軽にこちらからどうぞ!
http://www.patande.com/お問合わせ/
(↑お問い合わせフォームが開きます。)
******************************
少しでもお役に立つ部分があれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
弁理士(元特許庁審査官) 田村誠治
【楽しいホームページ】
個人発明家・小規模事業者専門の東雲(しののめ)特許事務所
http://www.patande.com/
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その場合は、たしかに、「周知であること」自体を争える余地はあります。
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しかしこの場合も、審査官による必死のサーチの結果(笑)、一つでも証拠が見つかったら、(1)と同じ結果になるリスクがあります。
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後半は、【拝啓 審査官殿】になってしまいました(笑)
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(注)本ブログにおける拒絶理由の対策は、いわゆる攻略マニュアルのような意味合いではありません(笑)。つまり、審査官を敵対視するものではありません。本来、審査官と弁理士は「特許出願人の利益」のために協働するものだからです。本ブログでも、特許出願人と審査官の双方にメリットがあり、結果、特許制度が有効利用されることを願っています。この点をご理解のうえ、ご参考にしてください。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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