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2016年04月02日
小保方さんのホームページ開設と特許(1) ~発明の新規性と進歩性について
あのSTAP細胞で有名な小保方晴子さんが、ホームページを開設したことで話題になっています。
ホームページは、全文、英語だそうですね。
このことを題材にして、特許のことを少し学んでみたいと思います。
本記事はその第1回として、「発明の新規性と進歩性」についてです。
身近な話題で、特許のことを楽しく勉強できるといいですね!
法律的な厳密性よりも、わかりやすさを優先してお伝えしたいと思います。
●新規性のない発明について
新規性のない発明は、原則として、だれも特許を取ることはできません。
新規性がない発明とは、公に知られている発明のことです。
積極的に公開した場合はもちろん、公に知られるおそれのある状態にしただけでも、新規性を失います。
一度でも公開されれば、新規性を失います。
また、公開の方法(どの言語か、口頭か書面かネット上かなど)は問いません。
小保方さんの件で言えば、
・わずかな期間でもホームページに公開した以上は、そこに記載された発明は、新規性を失います。たとえ現在は、ホームページを閲覧できない状態であったとしても、同じことです。
・英語で公開されたとしても、新規性を失います。
●進歩性のない発明について
進歩性のない発明も、原則として、だれも特許を取ることはできません。
進歩性がないとは、公に知られている発明から、容易に思いつく発明のことです。
小保方さんの件で言えば、
ホームページに記載された手順などを、当業者の知見でわずかに変更した程度のものは、進歩性のない発明と言えるでしょう。
●ホームページに記載された手順などを、単に繰り返せば完成するような発明
ホームページに記載された手順などを、単に繰り返せば完成するような発明も、特許はされないでしょう。
ただし、特許にならない理由が何になるかは、少し難しいところです。
・進歩性否定
「単に繰り返せば完成する」というのは、上記の「容易に思いつく」とは少し異なるのですが、実務的には進歩性を否定される可能性があります。
・新規性否定
手順が公開されたことで、その成果物も実質的に公開されたとされて、新規性がないとされることもあります。
・発明性否定
発明ではなく発見であるとして、発明性が否定されて、特許にならないこともあります。
この点については、上記ホームページの内容にもよりますし、特許の審査に関する専門性が高い話しですので、さらなる詳細はまたの機会にします。
●STAP細胞と自由技術
いかがでしたでしょうか。
今回の小保方さんのホームページ開設によって、そこで公開された内容(発明)と、そこから容易に発明できる内容(発明)については、原則として世界中のだれも特許が取れません。
逆に言えば、だれもが実施できるわけで、このような技術は、自由技術と言われることがあります。
今回の一件は、事情があまりに複雑でなんとも言えない部分もありますが、個人的には、STAP細胞関係の特許は、日本でおさえてほしかったなと感じていました。
小保方さんが理化学研究所(理研)を辞めた時点では、STAP細胞は完成していなかったと結論付けられてしまったようです。
そうすると、職務発明は成立しないと考えられ、理研にはSTAP細胞に関する特許関連の権利は何も残らないとも考えられます。
本シリーズの第2回は、この職務発明の点について述べてみたいと思います。
(注)なお、本ブログでは、今回の小保方さんのホームページ開設や、過去の理研の対応などについて、どうこういうつもりはありません。できるだけニュートラルな立場で、特許のことについて述べたいと思います。
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少しでもお役に立つ部分があれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
東雲特許事務所(しののめ特許事務所)の田村でした。
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・英語で公開されたとしても、新規性を失います。
●進歩性のない発明について
進歩性のない発明も、原則として、だれも特許を取ることはできません。
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●ホームページに記載された手順などを、単に繰り返せば完成するような発明
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ただし、特許にならない理由が何になるかは、少し難しいところです。
・進歩性否定
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・発明性否定
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いかがでしたでしょうか。
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