2014年06月29日
自分で特許を出してみるシリーズ「発明の名称について」
『自分で特許を出してみるシリーズ』は、みなさんがご自身で特許や実用新案を出せるようにするためのヒントをご提供するシリーズです。自分で特許を出す早道は、公開されている特許公報を参考にして真似することです。弁理士が代理人になっている特許公報を参考にするのがよろしいと思います。
ただ、特許公報を見ても分かりにくい点もたくさんあると思います。そこで本記事では、「発明の名称」についてです。
大きく次の２点を考慮してください。
（１）特許請求の範囲の請求項の末尾と整合させる。
（２）一般的すぎず、限定的すぎず、発明の特徴を表す。
特許請求の範囲をしっかり書ければ、あとは簡単です。請求項の末尾をすべて持ってきて、並べればいいだけです。
【請求項１】・・・を特徴とする、侵入者監視装置。
【請求項２】・・・を特徴とする、侵入者監視方法。
この場合、発明の名称は、「侵入者監視装置及び侵入者監視方法」となります。
（参考）一般に、公的文書では、「および」ではなく、漢字の「及び」を使います。また、３つ以上になる場合は、「Ａ、Ｂ、Ｃ及びＤ」のように、読点で区切って、最後の２つを「及び」でつなぎます。そのほかにも、「及び」と「並びに」の使い分けなど、一定のルールはありますが、意味の誤解が生じなければ、厳密でなくても構いません。
これも、特許請求の範囲の記載と関連があります。
例えば、もともと考えていた発明が「うさぎの毛並みを整えるブラシ」だとしましょう。しかし、このブラシが、ペット全般に使えるなら、「うさぎの」と限定する必要はありません（発明のミソが、うさぎ限定のものなのかどうかを検討する必要があるということです。）。
一方、発明の名称が単に「ブラシ」だと、人間まで使えるように見えますし、発明の特徴もよくわかりません。
特許請求の範囲を書くときに、うさぎと限定しないなら、発明の名称もうさぎとはしません。この場合は、例えば、「ペット用ブラシ」あたりになります。
ちなみに、上記（１）については、審査時において、まれに問題になります。審査官によっては、特許請求の範囲の末尾と、発明の名称とが整合していない場合、その旨を出願人に指摘する場合もあります。その場合は、そのことだけで特許が拒絶されることはありませんが、特許の権利書をより良いものにするためには、審査官の指摘に従った方が、よろしいと思います。
ご参考になれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
東雲特許事務所（しののめ特許事務所）の田村でした。
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（１）特許請求の範囲の請求項の末尾と整合させる。
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●（１）特許請求の範囲の請求項の末尾と整合させる
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この場合、発明の名称は、「侵入者監視装置及び侵入者監視方法」となります。
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●（２）一般的すぎず、限定的すぎず、発明の特徴を表す
これも、特許請求の範囲の記載と関連があります。
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