2016年08月17日
【Q&A】発明が解決しようとする課題は複数記載してもいいですか?
(Q)わたしの発明は、従来の課題(問題点)をいくつも解決するものです。
【発明が解決しようとする課題】の欄には、課題を複数記載してもいいでしょうか?
(A)一つの考え方としては、発明が解決しようとする課題としてではなく、発明の効果(発明の実施形態の効果)として、複数記載した方がいいでしょう。
(参考)発明の課題(発明の効果)は、発明の効果(発明の課題)の裏返しと言われます。
以下、本質問に関する考え方をいくつかご紹介します。
一般的な考え方に加え、本ブログ独自の見解もご紹介しますので、参考になれば幸いです。
(1) 複数書いても問題はない
まず基本的には、【発明が解決しようとする課題】の欄には、何を書いても構いません。
そもそも、発明の内容(特許の権利範囲)は、【発明が解決しようとする課題】の欄の記載で左右されるものではありません。
発明の内容(特許の権利範囲)は、【特許請求の範囲】で決まるものです。
そして例えば、【特許請求の範囲】の内容を補正することがありますが、それに対応して【発明が解決しようとする課題】まで補正することはありません。
【発明が解決しようとする課題】の欄の記載は、発明が生まれたストーリーを記載する程度に考えてもいいくらいです。
したがって、【発明が解決しようとする課題】の欄には、課題をいくつ書いても構いません。
(2) 課題は、1つの方がベター
しかし、審査官によっては、【発明が解決しようとする課題】の記載について、さまざまな判断をすることがあります。
例えば、請求項1に記載の発明が、【発明が解決しようとする課題】の欄に記載された課題をすべて解決していないときには、特許を拒絶すると判断することがあります。
(さらに、外国では、出願人が主張する課題を解決しない発明は、特許の権利範囲に含まれないと扱う国もあります。ただ、この場合は、その国での弁理士が、特許出願時に出願書類を適切に直してくれることが期待されますので、そこまで心配することはないでしょう。)
でしたら、余計なリスクは避けた方がよろしいと思います。
【発明が解決しようとする課題】の欄には、1つの課題でいいなら、1つにしておくのがベターと言えます。
(3) ではどの課題を1つだけ書くか
①メインの課題
あなたが発明をする前提となった、メインの課題を記載しておくのが、最も無難です。
特許の出願書類の流れ(背景技術~解決課題~解決手段)が、最も自然になるでしょう。
そして、ご質問者のように、あなたの発明が、他の課題をも解決している場合は、【発明が解決しようとする課題】の欄ではなく、【発明の効果】の欄や、発明の実施形態の効果として記載することも可能です。
②あえて「変わった課題」を書く手もある。
あなたの発明が解決する課題のうち、最も変わった課題(マイナーな課題、ニッチな課題)を記載しても構いません。
発明は、課題の発見ともいわれます。
「この発明者は、そんな課題に着目したのか!」
審査官にそんな心証を与えられれば、特許になる可能性が上がるかも知れません。
●
いかがでしたでしょうか。
なお、本記事では、いわゆる引用形式請求項(従属項)のことは議論していません。
一言で言えば、引用形式請求項(従属項)に記載された発明が、他の課題を解決している(他の効果を有している)としても、それは、発明が解決しようとする課題にしない方がいいことが多いでしょう。
ただ、
<続く>
******************************
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お気軽にこちらからどうぞ!
http://www.patande.com/お問合わせ/
(↑お問い合わせフォームが開きます。)
******************************
少しでもお役に立つ部分があれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
東雲(しののめ)特許事務所
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
弁理士(特許庁審査官 経験者) 田村誠治
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以下、本質問に関する考え方をいくつかご紹介します。
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(1) 複数書いても問題はない
まず基本的には、【発明が解決しようとする課題】の欄には、何を書いても構いません。
そもそも、発明の内容(特許の権利範囲)は、【発明が解決しようとする課題】の欄の記載で左右されるものではありません。
発明の内容(特許の権利範囲)は、【特許請求の範囲】で決まるものです。
そして例えば、【特許請求の範囲】の内容を補正することがありますが、それに対応して【発明が解決しようとする課題】まで補正することはありません。
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したがって、【発明が解決しようとする課題】の欄には、課題をいくつ書いても構いません。
(2) 課題は、1つの方がベター
しかし、審査官によっては、【発明が解決しようとする課題】の記載について、さまざまな判断をすることがあります。
例えば、請求項1に記載の発明が、【発明が解決しようとする課題】の欄に記載された課題をすべて解決していないときには、特許を拒絶すると判断することがあります。
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でしたら、余計なリスクは避けた方がよろしいと思います。
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(3) ではどの課題を1つだけ書くか
①メインの課題
あなたが発明をする前提となった、メインの課題を記載しておくのが、最も無難です。
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そして、ご質問者のように、あなたの発明が、他の課題をも解決している場合は、【発明が解決しようとする課題】の欄ではなく、【発明の効果】の欄や、発明の実施形態の効果として記載することも可能です。
②あえて「変わった課題」を書く手もある。
あなたの発明が解決する課題のうち、最も変わった課題(マイナーな課題、ニッチな課題)を記載しても構いません。
発明は、課題の発見ともいわれます。
「この発明者は、そんな課題に着目したのか!」
審査官にそんな心証を与えられれば、特許になる可能性が上がるかも知れません。
●
いかがでしたでしょうか。
なお、本記事では、いわゆる引用形式請求項(従属項)のことは議論していません。
一言で言えば、引用形式請求項(従属項)に記載された発明が、他の課題を解決している(他の効果を有している)としても、それは、発明が解決しようとする課題にしない方がいいことが多いでしょう。
ただ、
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