2015年08月25日
請求項の長さについて ~冗長な請求項は必ずしも悪くない!
特許や実用新案の出願書類における【請求項】の書き方として、一般に「長い請求項は良くない」という議論があります。
これは本来、次のような意味です。
発明とは、課題を解決するための手段です。
特許を最も広くするためには、課題を解決するために「必須の構成のみ」を、請求項に記載します。
ある課題を解決するために、ある装置に、a、b、cの3つの構成が必須とします。
にもかかわらず、a、b、c、d、eの5つの構成を請求項に書いてしまうと、d、eが必須となる分、特許は狭くなります。
「長い請求項は良くない」というのは、このようなdやeが記載されているという意味です。
本来必須のa、b、cについては、その形式的な長さは、いくら長くても構いません。
*
以上は、ごく一般的な話しです。
以下、別の事例として、請求項の記載が長くてもいい事例について説明します。
ある発明に必須の構成が、a、b、cの3つだとします。
ところが、a、b、cの3つがあることと、a、b、c、dの4つがあることが、発明として同義だとします。
つまり、dは、必須でもオプション的な要素でもなく、敢えて言えば、「冗長な」要素です。
この場合に、請求項にdを書くと、形式的にはその分、請求項は長くなります。
例:
a: 数式1=数式2
b: 数式2=数式3
c: 数式3=数式4
d: 数式4=数式1
このような場合、a、b、cの3つだけで、十分、発明を特定できます。
この場合、a、b、cの3つだけで書くのが、「玄人受け」すると言えるでしょう。
データベースの用語で言えば、「正規化」された請求項の記載です。
*
上記例で、たしかに、dを書くのは、冗長です。
しかし、ここで重要なのは、「dを請求項に記載しても、狭い特許にはならない」という点です。
この点で、必須ではない構成要件を記載することとは、まったく異なります。
この例では、dは、記載してもしなくても同じということになります。(玄人受けの点を除けば(笑)
もし、dを記載した方が、発明が明確になるのであれば、むしろ、dを記載した方がいいのではないかと思います。
以上が、長い請求項が必ずしも悪くない、一例です。
*
<余談>
同じ「冗長」でも、審査官がかなり嫌がる冗長さがあります。
それは、拙い翻訳文の冗長さです。
在外法人の案件によく見られますが、審査官の心証は非常に悪いです。
現行法では、必ずしも逐語訳にする必要はないので、技術的に理解できる出願書類にすることが望まれます。
<さらに余談>
そういえば、このブログには、冗長な記事が多いと思いますが(笑)、ご容赦ください。
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少しでもお役に立つ部分があれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
東雲特許事務所(しののめ特許事務所)の田村でした。
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つまり、dは、必須でもオプション的な要素でもなく、敢えて言えば、「冗長な」要素です。
この場合に、請求項にdを書くと、形式的にはその分、請求項は長くなります。
例:
a: 数式1=数式2
b: 数式2=数式3
c: 数式3=数式4
d: 数式4=数式1
このような場合、a、b、cの3つだけで、十分、発明を特定できます。
この場合、a、b、cの3つだけで書くのが、「玄人受け」すると言えるでしょう。
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上記例で、たしかに、dを書くのは、冗長です。
しかし、ここで重要なのは、「dを請求項に記載しても、狭い特許にはならない」という点です。
この点で、必須ではない構成要件を記載することとは、まったく異なります。
この例では、dは、記載してもしなくても同じということになります。(玄人受けの点を除けば(笑)
もし、dを記載した方が、発明が明確になるのであれば、むしろ、dを記載した方がいいのではないかと思います。
以上が、長い請求項が必ずしも悪くない、一例です。
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