【Q&A】特許の審査請求を検討するタイミングについてあいまいな記載の弊害(2) ~出願人には不利に、審査官には有利に
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2015年08月19日

あいまいな記載の弊害(1) ~出願人には不利に、審査官には有利に

当ブログでもたびたび記事にしていますが、特許の出願書類の書き方で、最も重要な要素の一つは、「明確さ」です。

単語の明確さももちろんですし、文・文章の明確さもです。
明確にした方がよい理由を挙げればきりがありません。
(あえて当ブログだからこそで言えば、明確でない出願書類では、審査官の心証が悪くなることでしょうか。)

当記事では、明確さに関するものとして、「複数とおりの意味に解釈できる文」について、述べてみます。


特許の出願書類のある文Xが、2通りの意味A、Bに解釈できるとします。
(それ以外の文や、図面の影響については、考慮しないとします。)

この文が、特許出願人と、審査官にどのような影響を与えるでしょうか?


(1)特許出願人

2通りの意味に解釈できるような文は、「なにも言っていないのと同じ」になるリスクがあります。

その文Xの本来の意味(発明者の意図)が、Aであるとします。
審査の過程などで、Aだけの意味になるように、文Xの表現を補正したいとします。

しかし、その補正は、認められないおそれが高いです。
詳細は、「新規事項の追加」に関する他の記事をご覧ください。

Bに補正したいときも同じです。
結果として、文Xは、何も言っていないのと同じということになります。


一例を挙げます。
タッチパネルに関する特許で、何本の指がタッチされるかを判別することについての記載です。

ある内容について、あいまいな表現が用いられていました。(詳細は割愛します)
その表現だと、①2本目の指がタッチする「場所」が近くなのか、②タッチする「時間」が短いのか、どちらにも解釈できてしまうのです。

もし、出願書類の他の箇所から、①と②のどちらか一義的に解釈できないとします。
この場合は、最悪、①、②のどちらにも補正できないということになります。

例えば、①についての先行特許が発見されたとします。
②に補正したいとしても、補正できないおそれがあります。

また、このまま特許になったとして、他社が①についての製品を作ったとします。
これを特許侵害であるとして訴えたときに、はたしてどうなるでしょうか?
他社は絶対に、この解釈を争点にすることでしょう。
争いの原因を作った方(特許権者)に、有利な判決が出るでしょうか??

このような事例は、特に外国関連の案件に多いと言われています。
翻訳文の作成時には、十分注意したいものです。


一昔前であれば、複数とおりの解釈ができるような、あいまいな表現が好まれることもあったようです。
審査の過程や、特許の争いなどで、後から都合の良い解釈ができるとさえ言われていたようです。

しかし、今はそれをやるのは、逆効果です。
複数とおりの意味を含ませたいのであれば、複数とおりの内容を、明確に記載すればいいのです。

あなたの発明は、すばらしいのです。
あいまいな表現で濁す必要なんてないですし、むしろ不利益になることもあることを覚えておきましょう。


(2)審査官

一方、審査官が、先行技術として特許文献を扱う場合は、上記と事情が異なります。
複数とおりの意味に解釈できるのであれば、そのいずれにも解釈することができます。

この点についての詳細は、別の記事で述べたいと思います。

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少しでもお役に立つ部分があれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
東雲特許事務所(しののめ特許事務所)の田村でした。

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