2015年05月01日
特許出願から1年以内に審査結果(特許or拒絶)が出たときにできること
本記事では、特許出願から1年以内に審査結果(特許or拒絶)が出たときのことについて、ご紹介します。
ここでいう審査結果とは、最終処分として、(1)特許になった、または、(2)特許が拒絶された、ということです。一次審査的な意味合いの、拒絶理由通知のことではありません。
審査結果が出たら、それで終わりじゃないの?
そう思われるかも知れませんが、「1年以内」という状況においては、その後にできることがいくつかあります。ここでは「1年以内」に特化した手続きをご紹介しますので、ご参考にどうぞ。
外国での特許取得を目指せます。
せっかく特許になったのですから、外国での特許取得を希望されることがあるでしょう。1年以内であれば、同じ内容については、最初の出願日を維持したまま、外国での特許取得を目指せます。
このような扱いを「優先権」と言います。パリ条約という条約に基づく権利です(以下、パリ優先権)。パリ優先権を主張して、国際特許出願(PCT出願)を行うこともできます。
パリ優先権を主張する際は、内容の追加を行うこともできます。追加された部分については、最初の出願日を維持することはできませんが、内容を追加することで、より包括的な特許取得が目指せます。
日本の特許庁の審査は、優秀で信頼性が高いと言われています。日本で特許になった発明であれば、外国でも特許される期待が高まります。
(注)ただし、注意があります。
上記のパリ優先権を主張して、国際特許出願を行う場合についてです。上記のような国際特許出願では、日本への手続きでは、パリ優先権を主張できません。パリ優先権を主張して、日本での包括的な権利化を目指すためには、最初の特許出願の際にちょっとした工夫が必要です。この点については、別途述べたいと思います。
特許が拒絶された場合の一般的な対策(拒絶査定不服審判など)については、ここで述べるまでもなくさまざまな情報ありますので、ここでは割愛します。1年以内である場合には、別の対策が一つあります。
上記のパリ優先権と似ていますが、日本国内のみで有効な、優先権を主張することができます(以下、国内優先権)。国内優先権を主張することによって、再チャレンジできます。
国内優先権を主張する際も、内容の追加を行うことができます。追加された部分については、最初の出願日を維持はできませんが、内容を追加することで、より包括的な特許取得が目指せます。
国内優先権を主張することは、以下のメリットもあります。
最初の特許出願が拒絶される理由としては、特許出願された発明が従来の発明と類似している、と理由がほとんどです。審査官から、従来の発明について、文献などが提示されます。
そこで、国内優先権を主張する際には、その従来の発明との違いを主張することができます。また、発明を改良等することによって、従来の発明との違いを主張できる可能性を高められます。
一般に、一つの出願の中では、最初に開示していない新たな事項を追加することはできません。しかし、国内優先権を主張する出願は、最初の出願とは別の出願ですので、新たな事項を追加することもできます。
なお、国内優先権のメリットは上記のとおりですが、デメリットとして費用がかさみます。出願手数料や審査請求料は、出願ごとに掛かりますので、ご注意ください。
実は、本記事で書いた内容は、比較的新しい考え方と言ってもいいでしょう。近年、特許庁の運用が以下のように改善されているからです。
①審査結果が早く出るようになった
特に、出願人が小規模事業者、自営業者、個人などの場合、一年以内に特許または拒絶の審査結果が出ることも多くなりました。
(わたしも審査官時代に、期限に追われて苦労しました!)
②費用的な負担が少なくなった
小規模事業者、自営業者、個人などの出願人には、一定期間、特許印紙代の減免措置がある。
国内優先権を主張して追加で特許出願を行っても、費用的な負担がだいぶ少なくなりました。
本記事で書いた内容は、本やネットを探しても、情報が少ないかも知れません。ご不明な点や興味がありましたら、お気軽にご連絡ください。
ご参考になれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
東雲特許事務所(しののめ特許事務所)の田村でした。
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ここでいう審査結果とは、最終処分として、(1)特許になった、または、(2)特許が拒絶された、ということです。一次審査的な意味合いの、拒絶理由通知のことではありません。
審査結果が出たら、それで終わりじゃないの?
そう思われるかも知れませんが、「1年以内」という状況においては、その後にできることがいくつかあります。ここでは「1年以内」に特化した手続きをご紹介しますので、ご参考にどうぞ。
(1)特許出願から1年以内に特許になった場合
外国での特許取得を目指せます。
せっかく特許になったのですから、外国での特許取得を希望されることがあるでしょう。1年以内であれば、同じ内容については、最初の出願日を維持したまま、外国での特許取得を目指せます。
このような扱いを「優先権」と言います。パリ条約という条約に基づく権利です(以下、パリ優先権)。パリ優先権を主張して、国際特許出願(PCT出願)を行うこともできます。
パリ優先権を主張する際は、内容の追加を行うこともできます。追加された部分については、最初の出願日を維持することはできませんが、内容を追加することで、より包括的な特許取得が目指せます。
日本の特許庁の審査は、優秀で信頼性が高いと言われています。日本で特許になった発明であれば、外国でも特許される期待が高まります。
(注)ただし、注意があります。
上記のパリ優先権を主張して、国際特許出願を行う場合についてです。上記のような国際特許出願では、日本への手続きでは、パリ優先権を主張できません。パリ優先権を主張して、日本での包括的な権利化を目指すためには、最初の特許出願の際にちょっとした工夫が必要です。この点については、別途述べたいと思います。
(2)特許出願から1年以内に特許が拒絶された場合
特許が拒絶された場合の一般的な対策(拒絶査定不服審判など)については、ここで述べるまでもなくさまざまな情報ありますので、ここでは割愛します。1年以内である場合には、別の対策が一つあります。
上記のパリ優先権と似ていますが、日本国内のみで有効な、優先権を主張することができます(以下、国内優先権)。国内優先権を主張することによって、再チャレンジできます。
国内優先権を主張する際も、内容の追加を行うことができます。追加された部分については、最初の出願日を維持はできませんが、内容を追加することで、より包括的な特許取得が目指せます。
●特許出願から1年以内に拒絶されたときに、国内優先権を主張するメリット
国内優先権を主張することは、以下のメリットもあります。
最初の特許出願が拒絶される理由としては、特許出願された発明が従来の発明と類似している、と理由がほとんどです。審査官から、従来の発明について、文献などが提示されます。
そこで、国内優先権を主張する際には、その従来の発明との違いを主張することができます。また、発明を改良等することによって、従来の発明との違いを主張できる可能性を高められます。
一般に、一つの出願の中では、最初に開示していない新たな事項を追加することはできません。しかし、国内優先権を主張する出願は、最初の出願とは別の出願ですので、新たな事項を追加することもできます。
なお、国内優先権のメリットは上記のとおりですが、デメリットとして費用がかさみます。出願手数料や審査請求料は、出願ごとに掛かりますので、ご注意ください。
●最新の特許庁の運用に対応しています
実は、本記事で書いた内容は、比較的新しい考え方と言ってもいいでしょう。近年、特許庁の運用が以下のように改善されているからです。
①審査結果が早く出るようになった
特に、出願人が小規模事業者、自営業者、個人などの場合、一年以内に特許または拒絶の審査結果が出ることも多くなりました。
(わたしも審査官時代に、期限に追われて苦労しました!)
②費用的な負担が少なくなった
小規模事業者、自営業者、個人などの出願人には、一定期間、特許印紙代の減免措置がある。
国内優先権を主張して追加で特許出願を行っても、費用的な負担がだいぶ少なくなりました。
本記事で書いた内容は、本やネットを探しても、情報が少ないかも知れません。ご不明な点や興味がありましたら、お気軽にご連絡ください。
ご参考になれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
東雲特許事務所(しののめ特許事務所)の田村でした。
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【楽しいホームページ】
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