2015年04月20日
特許の可能性を高める2つの考え方(手品のタネと見込み捜査とは?)
今日は、あなたの発明が特許される可能性を高めるために、ちょっと変わった角度からお話ししてみます。
特許が拒絶される理由で最も多いのは、あなたの発明が、従来の発明から容易に発明できたというものです。
では、審査官は、どのようにして「容易に発明できた」かどうかを判断するのでしょうか?
その判断のしかたがわかれば、どうでしょうか。
あらかじめそれに準備するような形で、特許の出願書類を作成できます。
傾向がわかれば対策がわかるというものです。
*
特許の審査基準というものがあります。
わたしの手元にも、審査官のころに使っていた分厚い審査基準がおいてあります。
これを読めば、特許庁の審査官の審査手法がわかります。
それを読んでくださいと言うのもなんですので、ここでは、別の観点からお話しします。
キーワードは、「手品のタネ」と「見込み捜査」です。
①手品のタネ
どんなにすごい手品でも、タネ明かしをされた後に再び見ると、大した手品に見えません。
あなたの発明の背景として、どのような先行特許があるか?あなたは知っているとします。
審査官も、きっとその先行特許を見つけてくるでしょう。
本来であれば、その先行特許だけを見て、その業界の人であればどのように創意工夫するかを考えます。
このようにして、あなたの発明が容易に発明できるかどうかを、判断しなければなりません。
しかし、審査官は、最初から、あなたの発明の内容を知っているわけです。
上記の判断には、ある程度の限界があるとしても仕方ないでしょう。
そこで、特許の出願書類には、先行特許と対比されても、なおあなたの発明が容易に発明できたものではないということを、十分に記載しておくのが理想です。
②見込み捜査
刑事ドラマなんかで出てきますね。
ある特定の人を犯人と仮定して、その人ならどうやって犯罪を犯すか?
そういう観点で、捜査を進めることを、見込み捜査といいます。
特許の審査も、これに近いものに陥る可能性もゼロではありません。
つまり、審査官は、最初から、あなたの発明がどのようなものであるかを知っているわけです。
先行特許から見て、あなたの発明を創作するには、どうするか?
このような観点で、審査が行われたとしても仕方ないでしょう。
この点でも、上述したように、特許の出願書類には、先行特許と対比されても、なおあなたの発明が容易に発明できたものではないということを、十分に記載しておくのが理想です。
<補足>
ちょっとわかりにくいので補足します。
小学生が東京駅にいます。彼は一人でどこまで行けるか?
そう考えた上で、結果として、和歌山まで行くのが容易かどうかを判断します。
これが特許の審査における「容易」の判断です。
ところが、最初から和歌山を前提にして、東京から和歌山まで小学生が一人で行くにはどうするか?
こう考えてしまうのは、特許の審査としてはよろしくありません。
そういうことです。
でもせっかくなので、和歌山ではなく、聞いたこともないような奥地まで行ってしまいましょう!
*
以上の①、②は、実際にそのように審査が行われているというものではありません。
仮にそういう審査が行われたとしても、特許が拒絶されないように準備しておけば、それに越したことはありません。
特許される可能性はもちろん高まりますし、特許された後も、特許が無効にされるリスクを下げられます。
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http://www.patande.com/お問合わせ/
ご参考になれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
東雲特許事務所(しののめ特許事務所)の田村でした。
<お知らせ>
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①手品のタネ
どんなにすごい手品でも、タネ明かしをされた後に再び見ると、大した手品に見えません。
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審査官も、きっとその先行特許を見つけてくるでしょう。
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